北海道の電車・バスでICカードやQRコード決済~多種多様な支払手段

地図
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以前、ICカードの相互利用について地図を作りました。その中で、北海道では札幌、函館でしかICカードの相互利用が出来ないことについて触れました。

ですが、交通系ICカード以外の決済手段も含めていけば、意外かもしれませんが北海道の交通(ほとんどバスですが)ではキャッシュレス決済が他地域より進んでいることはあまりしられていないように感じます。

そこで、北海道におけるICカードやQRコード決済可能な電車やバスについて地図を作成しました。すると、北海道内での利便性の違いや全国でも屈指となる決済手段の多様性が見えてきました。ぜひ参考にしていただき、北海道旅行の際にキャッシュレスで移動を楽にしてもらえればと思います!

地図を作るにあたって

地図を作るにあたっては、以下の基準にて作成いたしました。
・バスの利用可能エリアは、一部路線を除き円で表現
 ⇨バスは面で地域を網羅するという見方より
・新幹線、予約制高速バスはこの地図では除外
・プリペイドカードは除外
 ⇨IC決済またはQR決済に限定しました
・外国地盤の決済手段は除外
 ⇨WeChat Payなど

作成した地図はこちら

図:ICカード・QR決済利用エリア図(北海道版)
2023年8月26日更新

地域別利用可能エリアの状況

道内各地域の利用可能状況についてまとめていきます。尚、詳細の利用可能範囲ならびに海外の決済手段については地図に反映させてありますので、ここでは省きます。

道央・胆振・日高

決済種別名称10カード
相互利用可否
利用可能会社備考
ICKitaca・JR北海道
・F ビレッジ連絡バス
2024年にエリア拡大予定
ICSAPICA△片利用・札幌市営地下鉄
・札幌市電
・北海道中央バス
・JR北海道バス
・じょうてつバス
・10カードはSAPICAエリアで利用可能
・SAPICAはエリア外利用不可
・共同運行路線における他社運行便は不可
QRPayPay×・ばんけいバス
・千歳相互バス
・道南バス
・あつまバス
・北都交通
(新千歳空港連絡バス)
QRLINE PAY×・ばんけいバス
QRau PAY×・道南バス
タッチVISAタッチ×・北都交通
(新千歳空港連絡バス)
・F ビレッジ連絡バス
他社運行便は不可
タッチJCBタッチ×・北都交通
(新千歳空港連絡バス)
他社運行便は不可
タッチAMEXタッチ×・北都交通
(新千歳空港連絡バス)
他社運行便は不可
タッチDinersClub
タッチ
×・北都交通
(新千歳空港連絡バス)
他社運行便は不可
タッチDISCOVER
タッチ
×・北都交通
(新千歳空港連絡バス)
他社運行便は不可
表:道央・胆振・日高での利用可能カードと利用可能交通機関一覧(2023年8月26日現在)
※10カード⇨KitacaSuicaPASMOTOICAmanacaICOCAPiTaPaSUGOCAnimocaはやかけん

札幌を中心とした道央地域では多くの会社でキャッシュレス決済が利用可能です。

鉄道についてはほぼ全てのエリアでKitacaまたはSAPICAが利用可能です。尚、Kitacaは2024年春に岩見沢~旭川間でエリア拡大を予定しています。これにより、札幌から旭山動物園への観光する際の利便性が向上します。また、以下エリアへの旅行には注意が必要です。
・登別 (苫小牧以西はIC不可)
・余市・倶知安・ニセコ (小樽以西はIC不可)

路線バスについては、SAPICAが利用可能なバス会社とPayPayが利用可能なバス会社に大別されます。しかしながら、以下の会社は注意が必要です。特に新千歳空港連絡バスでは運行会社で決済手段が変わりますので要注意です。
・北海道中央バス
・JR北海道バス
 ⇨SAPICA使えない地域あり
 (岩内・岩見沢・滝川・深川発着)
・夕鉄バス
・ニセコバス
・空知中央バス
 ⇨現金オンリー
・北都交通 (新千歳空港連絡バス)
 ⇨VISAタッチ等のタッチ決済またはPayPayのみ (IC不可)

高速バス (予約制除く) についても多くの路線でSAPICAまたはPayPayが利用可能です。注意が必要なのは高速あさひかわ号で、非予約制高速バスで唯一現金オンリーの路線です。

函館周辺

決済種別名称10カード
相互利用可否
利用可能会社備考
ICKitaca(JR北海道)2024年より導入予定
ICICAS
nimoca
・函館市電
・函館バス
・大漁くんバス
 (松前町)
表:函館周辺での利用可能カードと利用可能交通機関一覧(2023年4月29日現在)
※10カード⇨KitacaSuicaPASMOTOICAmanacaICOCAPiTaPaSUGOCAnimocaはやかけん

函館周辺では、渡島半島全域を走る函館バスでICAS nimocaとICカード相互利用が可能です。一方、運行規模は小さいですが、以下の会社ではnimocaPayPayも利用できません。
・函館帝産バス (函館タクシー)
・北海道バス
・大沼交通
特に函館空港に到着される方は、市内方面の空港連絡バス、大沼行シャトルバス共にnimocaPayPay共に利用できませんので注意が必要です。尚、函館空港連絡バスについてはWEBにてクレジットカードによる乗車券購入が可能です (リンク)。

鉄道については、函館市電を除きnimocaKitacaの利用はできません。尚、Kitacaは2024年春に函館~新函館北斗間での導入を予定しています。これにより、北海道新幹線で函館旅行に来られる方の利便性が向上します。

道北・オホーツク

決済種別名称10カード
相互利用可否
利用可能会社備考
ICDoCARD
Asaca
×・道北バス
・旭川電気軌道
・DoCARD⇔Asacaの相互利用可
・共同運行路線における他社運行便は不可
ICバスカード×・北海道北見バス
QRPayPay×・ふらのバス
・斜里バス
・ふらのバスではふらのPASSサイト経由で利用
QRLINE PAY×・ふらのバスふらのPASSサイト経由で利用
表:道北・オホーツクでの利用可能カードと利用可能交通機関一覧(2023年4月29日現在)
※10カード⇨KitacaSuicaPASMOTOICAmanacaICOCAPiTaPaSUGOCAnimocaはやかけん

道北やオホーツク地域は、全国の多くの方が利用する決済手段による交通機関乗車が最も難しい地域です。利用可能なのはふらのバスや斜里バスでのPayPayくらいです。尚、ふらのバスではふらのPASSという独自システムを介しての決済となります。ただQRをスキャンするというものではないですので、ご旅行される方はふらのPASSサイトを確認することをおすすめします (リンク)。

一方、旭川や北見では全国に先駆けて独自規格のICカードが導入されました。旭川市の道北バス (DoCARD)は1999年の導入です。全国で4番目、札幌よりも早い導入であり、キャッシュレス決済先駆けの地域という側面もあるのです。しかし早すぎたがために、10カードとの相互利用が出来ない状況にあります。運賃箱等の機器更新の時期を迎える時、新しいシステムにて相互利用に対応することを願います。

表で挙げた5社以外では、2023年現在でも現金支払いしかできません。道北を旅行される際は充分な小銭を用意するようにしましょう。

道東

決済種別名称10カード
相互利用可否
利用可能会社備考
ICWAON×・くしろバス
・阿寒バス
・十勝バス
・釧路市近辺の大多数の路線で利用可
・帯広では数路線のみで利用可
QRPayPay×・十勝バス
・北海道拓殖バス
QRau PAY×・北海道拓殖バス
QRd払い×・北海道拓殖バス
表:道東での利用可能カードと利用可能交通機関一覧(2023年4月29日現在)
※10カード⇨KitacaSuicaPASMOTOICAmanacaICOCAPiTaPaSUGOCAnimocaはやかけん

道東、そのなかでも釧路市周辺では全国でも珍しくWAONによる決済が広まっています。しかも、2022年4月からは市内のほぼ全ての路線に導入されることとなり、利便性が飛躍的に拡大しました。WAONを使えば阿寒湖にも行くことが出来ます! 尚、釧路空港連絡バスは導入対象外となっていますので、空港利用の方は注意が必要です。

一方十勝ではPayPayがほぼ全域で利用可能です。さらに北海道拓殖バスでは運賃の支払い方法がQRコードのスキャン方式ではなく読み取り方式なので、他バス会社よりもさらに気軽にQR決済が可能です。

WILLERも便利!

道東地域やオホーツクではWAONPayPayでの支払いを紹介しましたが、キャッシュレス決済が導入されていない地域でも現金以外でバスに乗車する方法があります。それはWILLERのWEBサイトで乗車券を購入する方法です。WILLERは北海道では自社ブランドのバスは運行していません。ですが、今流行りのMAASに先駆けて「ひがし北海道交通ネットワーク」という取り組みを行っていて、WILLERのWEBサイトで道東を運行する路線バスの乗車券を購入することが出来るのです! このサイトを使えば根室の納沙布岬などへもキャッシュレスで行くことが可能であり、さらに便利に旅行することが出来ます!

詳細はWILLERのホームページをチェックしてみてください (リンク)。

まとめ~意外にキャッシュレスが進んだ北海道の交通機関で旅行しよう!

ここまでまとめたように、道北を除けば、
Suica等の交通系ICカード
PayPay
WAON
・WEBサイトでのクレジット決済
以上4つの決済手段さえあれば、ほぼ全道の交通機関に乗車できることが分かります。これらは全国でも多くの方がすでに利用しているものだと思われます。地域に合った決済手段を導入しているので互換性はないものの、北海道は意外にもキャッシュレス乗車が進んだ地域なのです。

北海道での移動はまず第一にレンタカーが検討されると思います。しかし2023年現在、COVID-19の影響によるレンタカー車両不足により、なかなかレンタカーを借りれない事態が発生しています。インバウンドの観光客も増えてきており、夏休みなどはさらに深刻な状況かもしれません。

一度バスなどの公共交通での旅行も検討してみてはいかがでしょうか。運転疲れなく、キャッシュレスに気軽に北海道旅行。そんな旅をされる方が増えることを願います。

更新履歴

2023年8月26日:Fビレッジ連絡バスでの決済手段拡大について追記
        北都交通でのQRコード決済について誤記訂正(リンク

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