2022年冬ダイヤのLCC路線網は?~日系LCC各社路線を地図にまとめてみた

航空
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本ブログでは以前、コロナ禍によるLCC路線網の変化について記事を書き、2022年夏ダイヤまでの状況をまとめました。

その後、日本においても外国人観光客の入国制限が緩和され、観光需要の回復に期待が持てる情勢となってきました。そんな中、8月下旬には日本の航空各社より、2022年冬季ダイヤの発表が続きました。またそれとは別に、個別路線の再開発表などもありました。
そこで、2022年冬ダイヤでの路線変化を反映させ、「2022年冬ダイヤでのLCC路線図」を作り、またLCC各社の運航再開・運休などの変更点についてまとめてみました。

LCC就航路線図(2022年冬ダイヤ)

さっそく完成した地図を下に載せます。この地図では日本国籍の航空会社のみを載せており、同じブランドであっても、他国籍航空会社運航の路線は除外しています。例えば、オーストラリアのジェットスター航空や中国春秋航空運航の路線は、この地図には載っていません。

図:LCC運航路線図(2022年冬ダイヤ現在)
2022年12月7日更新

冬ダイヤでの変化

では、LCC各社のダイヤの変化について、表にまとめました。尚、増減便された路線も多数ありますが、この記事では原則触れません。

会社種別内際路線運休・
再開日
備考
Peach再開国際東京-羽田ソウル-仁川2022/10/30
Peach運休国内東京-成田宮崎2022/10/30
Peach運休国内仙台沖縄-那覇2022/10/30冬ダイヤではANAが運航
Peach再開国際沖縄-那覇台北-桃園2022/11/17(2022年10月14日追記)
Peach再開国際東京-羽田台北-桃園2022/11/17(2022年10月27日追記)
東京発便は11月18日が初便(深夜便のため)
Peach新規
就航
国際大阪-関西バンコク2022/12/27(2022年10月7日追記)
コロナ禍後初の日本LCCによる新規就航路線
Peach再開国際大阪-関西香港2023/1/20(2022年11月15日追記)
香港発便は1月21日が初便(深夜便のため)
Jetstar冬季
運休
国内東京-成田下地島2022/10/302023年夏ダイヤで再開予定
Jetstar再開国際東京-成田マニラ2022/12/15マニラ発便は12月16日が初便(深夜便のため)
Jetstar再開国際東京-成田台北-桃園2023/1/19(2022年11月22日追記)
台北発便は1月20日が初便(深夜便のため)
SPRING
JAPAN
運休
(?)
国際東京-成田哈爾浜2022/10/30公式リリースなし。運航継続かも?
➡2022年10月21日:冬ダイヤ運航継続発表あり
SPRING
JAPAN
再開国際東京-成田寧波2023/1/10(2022年12月7日追記)
ZIPAIR新規
就航
国際東京-成田サンノゼ2022/12/12
表:2022年冬ダイヤでの新規就航・運休路線
2022年11月22日更新

Peach

Peachでは、8月23日のANAプレスリリースにて、2022年冬ダイヤでの運航計画を発表しました。

ANAプレスリリース

国際線では東京-羽田~ソウル-仁川線が運航再開します。

国内線では2路線が運休します。
・東京-成田~宮崎線
・仙台~沖縄-那覇線
東京-成田~宮崎線にはジェットスター・ジャパンが就航していますので、LCCの移動が不可能となることはありません。
仙台~沖縄-那覇線については、ANAグループとしての路線計画として、冬ダイヤではANAが運航することとなりました。

国内線の運航規模縮小は、冬季の需要減退に対応する側面もあるかと思いますが、一方で今後の国際線運航規模拡大への余力を作り出すことにもなります。今後の発表に期待が持てそうです。

■2022年10月7日追記
2022年10月6日、Peachは12月27日より大阪-関西~バンコク線の新規就航することを発表しました。この路線は、コロナ禍後初の日本LCCの国際線新規路線になります。
また、Peachが運航しているエアバスA321LR型機は、2021年に運航開始され、最長で7,000km以上の飛行が可能な機種です。今回の新規就航で、この機種を導入した本来の目的である中距離国際線に、遂にPeachは路線網を拡げることとなります。

Peachプレスリリース

■2022年10月14日追記
2022年10月13日、Peachは11月17日より沖縄-那覇~台北-桃園線の再開を発表しました。この路線は、コロナ禍後初となる沖縄発の日本の航空会社による国際線LCC路線になります。

Peachプレスリリース

■2022年10月27日追記
2022年10月21日、Peachは11月17日より東京-羽田~台北-桃園線の再開を発表しました。尚、この路線は深夜便であり、東京発便は11月18日の運航再開となります。

Peachプレスリリース

■2022年11月15日追記
2022年11月11日、Peachは2023年1月20日より大阪-関西~香港線の再開を発表しました。尚、この路線は深夜便であり、香港発便は1月21日の運航再開となります。この路線は、コロナ禍後初となる香港行の日本の航空会社による国際線LCC路線になります。

Peachプレスリリース

ジェットスター・ジャパン

ジェットスター・ジャパンにおいても、遂に国際線が再開されることとなりました。

国際線では2022年9月22日のプレスリリースにて、東京-成田~マニラ線が2022年12月15日に運航再開すると発表されました。コロナ前と同じく深夜早朝時間帯での運航であり、機体の運航効率が高まります。

ジェットスタープレスリリース

国内線では2022年9月2日のプレスリリースにて、東京-成田~下地島線の冬期運休が発表されました。尚、2023年夏ダイヤでは運航再開される予定です。
宮古島ではレンタカー不足の状況であり、1か月先まで満車が続く状況となっています(2022年7月19日:NHK沖縄NEWS WEB)。Twitterではレンタカー不足により来島を断念する観光客の声もあり、ジェットスターはこの状況による需要減退に対応した可能性もあります。

ジェットスタープレスリリース

ジェットスターの機体は、今時点でも深夜早朝時間帯の余力は充分にあるものと思われます。今後も深夜早朝時間帯を活用した国際線運航再開の発表があることが楽しみです!

■2022年11月22日追記
2022年11月18日、ジェットスターは2023年1月19日より東京-成田~台北-桃園線の再開を発表しました。尚、この路線は深夜便であり、台北発便は1月21日の運航再開となります。ジェットスターの就航により、この路線はコロナ禍後初となる日本の航空会社2社が運航する国際線LCC路線になります。

ジェットスタープレスリリース

SPRING JAPAN

SPRING JAPANでは、2022年8月30日のプレスリリースにて、2022年冬ダイヤ分の航空券販売開始を発表しました。

SPRING JAPANプレスリリース

国際線では、東京-成田~哈爾浜(ハルビン)線の運航計画が不透明な状況です。尚、2022年夏ダイヤにおいて、同路線は週1便(日曜日)が運航されていました。
今回のプレスリリースでは、同路線について一切触れられていません。「冬ダイヤで運航するのは天津と南京の2路線」との記事もあります(2022年8月30日:Aviation Wire)。しかしながら、過去には2017年冬ダイヤにて、同路線のみ他路線より大幅に遅れ、10月6日に航空券販売開始となったこともあります(2017年10月5日:TRAICY)。

国内線では新規就航・運休はありません。しかしながら運航3路線とも減便となり、東京-成田~佐賀線に至っては土曜日のみ週1便の運航となります。

東京-成田~哈爾浜(ハルビン)線については、LCCで唯一コロナ禍での運休を免れ、運航が継続された路線です。運休との発表がない今、過去同様、まもなく冬ダイヤ運航の発表があることを願って止みません。また、夏ダイヤでの運航規模拡大が一転した冬ダイヤ発表に、SPRING JAPANの将来が再び霧の中に入ったように感じ、残念でなりません。

■2022年10月4日追記
2022年9月30日、SPRING JAPANは10月の哈爾浜線増便を発表しました。これで、冬ダイヤの運行も調整している可能性が高まりました。次の発表を待ちましょう。

SPRING JAPANプレスリリース

■2022年10月22日追記
2022年10月21日、SPRING JAPANは冬ダイヤの哈爾浜線販売開始を発表しました。週2便での運航と、これまでよりも増便しての運航です。以前から相変わらず調整や発表の遅い会社ですが、運休とならずにホッとしました!

SPRING JAPANプレスリリース

■2022年12月7日追記
2022年12月7日、SPRING JAPANは2023年1月10日より東京-成田~寧波線の再開を発表しました。週1便での運航ですが、冬ダイヤより各路線増便や今回の路線再開と、これまでと比べても運航規模拡大が早くなってきました。このまま再開が続くことが期待されます。

SPRING JAPANプレスリリース

ZIPAIR

ZIPAIRでは、就航発表はすでにされていましたが、2022年9月16日に東京-成田~サンノゼ線を2022年12月12日に就航と発表されました。これにより、東京-成田~ロサンゼルス線に次いで、アメリカ本土行路線が2路線に拡大されます。

ZIPAIRプレスリリース

ZIPAIRは順調に運航路線を拡大しています。今後は、行政手続き難航が原因が就航できずにいる東京-成田~台北-桃園線の就航発表が待たれます(2021年9月7日:Aviation Wire)。

まとめ

国内線では減便や運休路線もあり、運航規模は縮小へ向かいます。一方、国際線需要が高まる中、LCCにおいても運航規模拡大が進みます。国内線の縮小分は国際線拡大へと振り向けられることとなるでしょう。

この状況で、Peachジェットスター・ジャパンZIPAIRでは運航再開や新規就航の発表もあり、コロナの第8波で感染拡大が起こらぬ限り、この先も順調に立ち直ることでしょう。一方、唯一SPRING JAPANは運航規模が大きく縮小する状況です。中国が防疫対策「ゼロコロナ」から脱却する様子も全く見られません。拡大した国内線の運航規模を維持できず、頼みの中国路線も戻せない現状ならば、会社の未来は自ずと決しているのかもしれません。

お読みいただきありがとうございました。

更新履歴

■2022年10月4日:SPRING JAPANの哈爾浜線増便に関して追記(リンク
■2022年10月7日:Peachの大阪-関西~バンコク線新規就航に関して追記し、地図を更新(リンク
■2022年10月14日:Peachの沖縄-那覇~台北-桃園線再開に関して追記し、地図を更新(リンク
■2022年10月22日:SPRING JAPANの哈爾浜線販売開始に関して追記し、地図を更新(リンク
■2022年10月27日:Peachの東京-羽田~台北-桃園線再開に関して追記し、地図を更新(リンク
■2022年11月15日:Peachの大阪-関西~香港線再開に関して追記し、地図を更新(リンク
■2022年11月22日:ジェットスターの東京-成田~台湾-桃園線再開に関して追記し、地図を更新(リンク
■2022年12月7日:SPRING JAPANの東京-成田~寧波線再開に関して追記し、地図を更新(リンク